特集コラム

Column 5 吉祥寺グルメ

吉祥寺グルメ
2013/01/08

店の中央に堆肥の山、その心は・・。タイヒバン

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店のど真ん中、砂場の山のように、こんもりと土が盛られている、と思ったら、大間違い。これは、れっきとした堆肥である。そう、牛のウンチを使ったタ・イ・ヒ。食べ物の店に堆肥がどっさりとは、臭いが気になるところだが・・・。

覚悟して店内に足を踏み入れてみると、あれ、全く臭ってこない。さらに、手にとって臭いをかいでみると、土のような、ほんのり甘い香りがする。

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実はこの堆肥に使われているのは、バイオバランス(学術名「Anti-Muffa」抗カビの意)という乳酸菌の入った飼料で育った牛たちのウンチ。

乳酸菌は、牛の腸に有効に作用するため、ウンチが臭わないだけでなく、抗生物質などを投与しなくても健康に育つという。ウンチにスギの間伐材から作られたおがくずを混ぜて発酵させたのが、こちらの堆肥である。

この仕組みはLIP(Life in Peace)という食の安全に向かう環境循環再生事業で展開されているもので、ネットワークする畜産農家の家畜にはすべてこの飼料を与え、そのウンチから作られた堆肥で農作物を育てるという循環が形成されている。

現在、この農法によって飛騨高山で農作物が作られているが、無農薬、無化学肥料で育った作物は、その生育のよさやうまみに大きな差が出ているというから生産者にとっても驚きのようだ。

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安全はもちろん、肉や野菜のうまみが違う

タイヒバンは、生産者が作ったものをここで「有料試食」してもらう、いわばネットワークのステーションとして誕生した。

現在、店で出す牛はこの飼料で育ったものを北海道の畜産農家から一頭買いしているが、「脂身があっさりしているのは驚きでしたね。すべてあますところなく料理に使ったり、各部位は冷凍パックにして販売しているので、牛にありがとうといいたくなる」と担当の舟木さん。

ランチにはいろいろな部位のステーキが日替わりで登場するし、野菜をたくさん使ったデトックスカレーも人気だ。

店頭では契約農家で作られた野菜が販売されているが、当然ながら寒い時期は作物もあまりない。こうしてみると、いつもスーパーなどにあふれる野菜たちは一体どんな育ち方をしているのだろうか、逆に気になってしまう。

納得のいく旬の食材をいただく。食の安全に関心が高まる今こそ、「足るを知る」食卓を取り戻す時なのかもしれない。

■ Taihiban(タイヒバン)
http://taihiban.com/
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-22-3
営業時間 Taihibanマーケット 12:00 - 18:00
Taihibanダイニング(要事前電話予約。コースのみ2500円)
定休日:水曜日
TEL/FAX:0422-27-1392

 

文・取材 / 吉マムかよ

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