Column 2 吉祥寺のおみせ
orlo(オルロ)
本当に良いモノは、吉祥寺の端っこに…
イタリア語で“端っこ”という意味でもある『orlo』。このお店は、その名の通り、吉祥寺の中心街からかなり離れた井の頭通り沿いにある。
三鷹出身で、幼い頃から「よく自転車で吉祥寺まで遊びに来ていた」という店長。駅からちょっと離れた場所で、お気に入りのお店を見つけたりするのが「すごく楽しかった!」そうだ。彼のそんな生い立ちから、「本当に上質で良いモノは吉祥寺の街中では手に入らない。端っこまでたどり着いて、やっと出逢える」という思いも込められて、orloは2010年4月にオープンした。
洋服屋さんによる雑貨のお店
もともとアパレル業界出身の店長が、このお店をオープンの際に思ったのは、「本物の良さが分かる人に、上質なライフスタイルを送れるようなモノを紹介したい。洋服だけでなく、それを引き立たせるためのモノも扱いたい」ということだった。
「単に“雑貨のお店”ではなく、“洋服屋さんがプロデュースする雑貨のお店”を強く意識した」という店内には、メンズの洋服をはじめ、フレグランス、イタリア輸入食材など、ユニークなモノが揃っている。 なかでも、店長がこだわって選んだのが「フレグランス」と「オリーブオイル」だ。
「フレグランス」は2ブランドを扱っている。『Carthusia(カルトゥージア)』はイタリア・カプリ島で採れたハーブ類を厳選して作られている。orloよりも少し広いくらいの小さな工場で、丹念に作られた手作りのフレグランスは、店長のアパレル勤務時代からの“お気に入り”だ。都内でも、あまり数多く流通していないそうだが、ここでは種類も豊富に扱っている。
『ACCA KAPPA(アッカ・カッパ)』は、1869年に北イタリアで誕生した歴史あるブランドだ。 “シンプルなデザイン”、“高品質”、“天然素材”という3つの原則をもとに作られたACCA KAPPAは、フレグランスのほか、ボディケアやブラシ類なども展開している。このブランドの製品は、都内・某有名高級ホテルのスウィートルームで、アメニティ・グッズとして置かれているという。
そこに宿泊してACCA KAPPAの良さを体感し、「orloで取り扱っている」という情報を耳にした人たちが、はるばる遠方から買い求めに来る時もあるそうだ。
「オリーブオイル」は、北イタリアで僅かしか採れない、タジャスカ・オリーブで作られた『ANFFOSO』のもの。1つ1つ手摘みしたものを絞り、更にその上ずみの部分だけで作られたオイルは、とてもフルーティーな香りでなめらかな食感だという。店長いわく「サラダやカルパッチョなど、素材の味をそのまま活かせるような料理に、すごく合う!」そうだ。
レトロでクールなシャツ -SHAMS-
素敵なフレグランスやイタリアの食材に唸らされただけでは、終わらなかった。「さすが洋服屋さん!」と思わせる逸品の紹介も、忘れてはなるまい。
店内にさりげなく掛けられていたメンズ・シャツ。その生地に触れた途端、「おぉーっ!!」ありきたりな表現しか出てこないのが、お恥ずかしいのだが…ただただ感動した。
若手のデザイナー・笹岡氏による『SHAMS(シャムス)』のシャツ。「昔のシャツの良いところを再現して、かっこいいシャツを!」と、ベテラン職人の手によって細かい部分まで徹底的にこだわって作られたシャツは、肌にやさしい国産の柔らかいオクスフォード生地で作られている。“メンズのみの展開”とのことだが、女性が着ても似合うだろう。
ときどき、『SHAMS NIGHT』という、笹岡氏のトークと販売会もあるそうだ。ビールを片手にシャツのこだわりを熱く語ってくれる笹岡氏の話は、機会があったらぜひ聞いてみたいものだ。
「なんか、ちょっと良いモノを手にしたい」、「こだわりのあるモノを、毎日の暮らしの中でとり入れたい」そんな風に思った時は…吉祥寺の中心街を通り抜けて、“端っこ”まで足をのばして探しにいくのも愉しいのではないか。
「周りを“あっ!”と言わせるお気に入りを見つけに行こう」とワクワクした気持ちがあれば、駅から早足でも10分あまりの道のりも、さほど長くは感じないかもしれない。
orlo(オルロ)
http://orlo-tokyo.com/
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町3-21-10 La vie kichijouji 102
電話:0422-54-5757
営業時間:12:00-21:00
定休日:水曜日