特集コラム

Column 2 吉祥寺のおみせ

吉祥寺のおみせ
2011/02/21

SUNFACE(サンフェイス)

通りゆく人もビックリ! ―ハーレーと巨大な革バッグ―

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吉祥寺駅の西口(アトレ本館口)から、吉祥寺通りを井の頭動物園方面に歩き、焼き鳥の老舗店『いせや』を少し過ぎた頃…突然、ハーレーのバイクと、大人1人余裕で入れそうな巨大な革バッグが目の前に現れる。
あまりに大きなサイズのバッグに度肝を抜かれ、ふと後ろを振り向くと…ネイティブ・アメリカンにとって神でもある、太陽のマークが目に飛び込んでくる。革小物のショップ『SUNFACE(サンフェイス)』だ。

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ハーレーをこよなく愛する店主・山下さんが、26歳の頃だった。「ハーレーに似合いそうなバッグがない!だったら、自分で作ってしまえ!!」 そう思ったものの、独学では夢の実現まで、あまりに道のりが遠い…。ならば、「お気に入りのデザインのバッグを作っているお店で修行して、作れるようになろう!」
自身の中で「理想のデザインだった」という、渋谷の名店『HERZ(ヘルツ)』に直接電話を入れ、直談判して門を叩いたそうだ。
「自分を雇ってくれたら、絶対損はしないから!」…その熱意は、まさに太陽神―SUNFACE―にも負けない強いものだった。

それから10年の歳月が流れた、2003年7月。「ほんわりと平和な感じがする、大好きな街だった」という吉祥寺で、彼は満を持してSUNFACEをオープンさせたのだった。

買い増したくなるレザー・グッズたち

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温かみのある、手作りの内装の店内には、シンプルでありながらも末長く愛着が持てるレザー・グッズが沢山並んでいる。「お昼におにぎりを食べている時に思い浮かんだ」という『ランチバッグ』や、「持ち手は革の重さを感じさせず、中に物を詰めても膨れないようデザインした」という『ビジネスバッグ』など…。どれも、細部にまでココロ憎いこだわりが施されているものばかりだ。

これらは、既存のデザインで販売されているだけでなく、「糸の色だけ変えて欲しい」とか「内側にペンホルダーもつけて欲しい」といった、イージー・オーダーもOKである。レザーや糸のサンプルを、実際に店頭で確かめてからオーダーできるので安心だ。

また、「自分のトレードマークを入れて、作って欲しい!」とか「お店の記念になるようなモチーフを入れて欲しい!」といった希望をとり入れた、フル・オーダーも可能だ。たとえば、コンクールの入賞記念に『ヤツデのマーク入りバッグ』をオーダーした製菓学校の先生、レッスンで使う『ティンシャ(ミニ・シンバル)ケース』をオーダーしたヨガの先生、お店の20周年を記念して『伝票入れ』をオーダーした時計店…etc.
オープン以来、およそ2,000件。今まで可能なかぎり、ありとあらゆるグッズのオーダーに、SUNFACEでは応えてきた。

「愛着を持って、ずっと使って欲しい」という思いが込められた頑丈なグッズたち。それに魅了され、新たなグッズを買い求める“リピーター”が多いのも、このショップの特徴だ。いちど購入してから、革がヘタッたり糸がほつれたりした時には「革の使い込んだ風合いはそのままに、新品同様の使い易さになるように」修理してくれる。
自分の“お気に入り”を、そこまで丁寧に再生してくれるのならば…新たな“買い増し”をする人たちの気持ちも、よく分かる。

職人芸の真骨頂 ―フリスク・ケース―

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店内でさまざまなレザー・グッズたちと一緒に並んでいる『フリスク・ケース』。かなり“小物”で、バッグ類と比べて存在感は小さいかも知れない。だが、「制作するうえで、実はいちばん技量が問われる」のだそうだ。

厚さ2.5mmの丈夫な牛革を、革の状態に合わせて漉(す)いたのち、フリスクを納めた時にピッタリとフィットするよう裁断・縫製していく。縫いしろを少しでも深く縫い込むと、フリスク本体が納まらず、逆に浅いと、ケースからすぐに飛び出てしまう。さらに、本体のへりに合ったサイズでなければ、毎回フタを開けた時に邪魔になってしまう。
買った人に「末長く、愛着を持って使ってもらう」ためにも…この『フリスク・ケース』は、精巧な技量を必要とする“職人芸の真骨頂”が感じられる小物なのだ。

そんな“タダものではないグッズ”だが、1,570円(税込)という、比較的お手頃な価格で堪能できる。SUNFACEがオープン以来大切にしている、“丈夫で愛着の持てる物づくり”、“シンプル・イズ・ベスト”というこだわりを体感するのに、ちょうど良い一品かも知れない。

SUNFACE(サンフェイス)
http://www.sunface-lc.com/
住所:東京都武蔵野市御殿山1-2-2 グレイス御殿山1F
電話:0422-71-7566
営業時間:11:30-20:00
定休日:月曜日

文・取材 / pearl

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