Column 2 吉祥寺のおみせ
Petit(ぷち)
小さいけれど圧巻! ―キャラクターグッズの宝箱―
「なんじゃこりゃー!!!」「これ、懐かしいー♪」
お店の入口付近や、店内に一歩足を踏み入れた途端、思わずこんな言葉がもれてしまう。
わずか7坪という『Petit(ぷち)』の店内には、壁の隅々から天井までギッシリと、のべ1万点を超える小さなグッズたちが並んでいる。
コレクターの間では“知る人ぞ知るお店”で、さまざまなキャラクターグッズを取り揃えている。スヌーピー、スポンジ・ボブ、といった米国の人気キャラから、ゲゲゲの鬼太郎、鉄人28号などの日本の人気アニメキャラ、はたまたM.ジャクソンまで…そのラインナップは、実に多彩だ。
まるで“宝箱”のような店内には、小さい子供から大人まで幅広い年齢層のお客さんで、いつも賑わっている。
「おもちゃが大好き!」という、店主・桜井さん。
もともとこのお店は、先代のお母様が、喫茶店として営業していた。豆や焙煎にもこだわったコーヒーは人気で、常連客も多かったという。当初は喫茶店と並行して、おもちゃを少しずつ店内に飾りながら営業を続けていた。十数年前、お母様から完全にお店を引き継ぐことになった時、「前からやりたかった“おもちゃ屋さん”に、ガラッと変えよう!」と決めたそうだ。
キュートでカワイイ! ―bean’s フィギュア―
「小さなお店に、大好きなおもちゃを沢山置きたい!と思ったら、結果的に小さなものばかり集まってしまった」と、桜井さん。そのお話どおり、店内には本当に小さなアイテムが多い。
その代表格が『bean’s フィギュア』だ。
ペンギン、ブタ、カエル、テントウムシ、ワニ、クマノミなどの生き物…コロン♪としたサイズで、大人の小指の先くらいしかない。本当に小さいのだが、よく見てみると、手先や足先、耳や歯、しっぽ…細部に至るまで、リアルに作られている。1つ1つ手に取ってじっくり見てみると、表情も豊かで「本当に生きているんじゃないか?」と思うほどだ。
お値段も1つ52円と、とてもリーズナブル。お小遣いを握りしめた子供たちはニコニコと笑みを浮かべ、女子大生は「かわいいー!」と歓声をあげて、bean’sフィギュアを買って行くそうだ。マメマメしい可愛らしさは、幅広い年代から慕われる人気者だ。
年に1度のおもちゃ大集合! ―おもちゃ市場―
毎年秋になると、東急吉祥寺店の一角で、Petitにとって大事なイベント『吉祥寺おもちゃ市場』が催される。武蔵野商工会議所や地域コミュニティ、近隣の漫画家、アニメスタジオなどが一体となって開催する『吉祥寺アニメワンダーランド』の一環として行われ、いまや名物にもなっている。
中央線沿線にある、おもちゃや雑貨のお店が多数参加し、日本や海外で作られた面白いグッズが軒先に並ぶ。70年代から90年代にかけて作られたものを中心に、懐かしいおもちゃやレアなグッズなど、掘り出し物が満載だ。 (2011年度も、10月上旬に開催予定)
「毎年、この市場を、子供から大人まで様々な人たちに楽しんでもらいたい」と話す、桜井さん。とっても気さくな彼女が、Petitやおもちゃ市場に力を入れる本当の目的は、単に「おもちゃを売ること」だろうか。いや、おもちゃを通じて、人々がコミュニケーションをとれる「憩いの場を設けたい」から…そんな気がする。
7坪と小さいが…Petitは、私たちをこの上なくHappyな気持ちにしてくれる、大きな“玉手箱”のような空間だ。
Petit(ぷち)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-17-2
電話:0422-21-1425
営業時間:11:30-21:00
定休日:年中無休