Column 2 吉祥寺のおみせ
kokoro(ココロ)
散歩日和の日の、新しい寄り道スポット
日差しの眩しい夏の朝、2011年7月に井の頭公園近くにオープンした古着屋・kokoroを訪れた。ゆるく心地よいBGMの流れる店内には、アメリカから買い付けられてくる古着を中心に、洋服や靴、鞄などが所狭しに並ぶ。
良いと思うものを集めたお店を開くことは、オーナーである伊勢さんの、長年の夢。ところが、その夢が実現しつつある最中に、東北地方太平洋沖地震が起きる。
『自分が仙台出身だということもあって、あの日以来沢山の人の優しさに触れました。それで、心という言葉が思い浮かんだんです。』古着を中心に扱っている店であっても、古着好き以外の人々にも気軽に訪れてもらえる店にしたい。
kokoroというネーミングには、客層を限定することのない親しみやすい店でありたいという想いや、人と人との心の繋がりを大事にするお店でありたいという想いが込められている。
少年と古着
古着を買いたい一心で、新聞配達のバイトをしていた中学時代。ところが、早朝の新聞配達、部活の朝練、そして授業と続けば、疲労から成績だって落ちる。
その様子を見かね、伊勢さんのお父様は伊勢少年の気持ちをおかまいなしに新聞屋に電話を入れてしまう。その結果、伊勢少年はバイトをあっけなく辞めさせてしまった。
そんな、ほろ苦い想い出話を聞いたら、『大人になった君は、緑溢れる吉祥寺の地で、抱えきれないほどの古着に囲まれて暮らしているから、安心して平気だよ。』と当時の伊勢少年に伝えられたらいいのに、と思った。
原点は、やはり定番リーバイス
店頭に並んでいるだけでも、800点以上のアイテムがある。そのどのアイテムに関しても、いつどこで購入したのかを覚えているというから驚いた。その中で一番思い入れのある商品はどれだろう?好奇心から、思わず質問をしてしまった。
すると少し悩んだあと、伊勢さんが言った。「ベタですけど 、やっぱりLEVI`S501ですかね。」ジーンズに触れながら伊勢さんが言う。
「これに出会うことがなければ、今の自分はないですから。中学生の時、地元にジーパン屋○○というお店があって、B級品の501があったんですよ。で、どうしても欲しかったんだけどやっぱりお金がなかったから、母親に一生懸命ねだりました (笑)。」
ゆるーい気持ちで、ふらっと中へ…
「これまでも古着に携わる仕事をしていたのですが、実際にお店に立つということはエンドユーザーの顔が見られるってこと。自分が見つけてきた古着を実際に着用する人の顔を見られるというのは、やっぱり楽しいですよね。
自分が輸入してきた洋服を着たことで少しでも購入者の毎日が幸せになれば、僕も嬉しいです。」そう語る伊勢さんが理想とするのは、いわゆる「古着バカ」でなくても、気軽に入ってこられる楽な感じのお店。「何かが見つかりそう」そんな素敵な予感がする日には、ふらっとkokoroを覗いてみるといいかもしれない。
kokoro(ココロ)
http://ameblo.jp/kokoro-kichijoji/
住所:武蔵野市御殿山1-2-2 グレイス御殿山B1F
電話:0422-24-7890
営業時間:12:00-20:30